FF8は完全な情報宣伝による勝利だった(と思う)。ただ,それだけだった。ポケモンはキャラ勝ちとも云えるが,ゲームボーイというデバイスを活かした勝利でもあった。デバイスを活かすことができれば,その勝利には価値がある。さて,「ワイヤード」というデバイスを活かすことができるのは,誰?
アスキーは5日,99年上半期のゲームソフトとハードの推定実売数をまとめた。それによるソフト推定実売数では,スクウェアの「ファイナルファンタジー8」が約347万本でトップになり,2位の任天堂「ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ」に約250万本の差をつけた。メーカー別では,1位がスクウェア,2位が任天堂,3位がコナミ,4位がソニー・コンピュータエンタテインメント,5位がナムコ,6位がセガ・エンタープライゼス,という順位になった。
今年上半期に発売されたゲームソフトでミリオンヒットとなったものはFF8だけで,しかも350万本。2位の任天堂の作品は100万本に届いていない。しかもFF8は,SCEIやナムコ,セガなどのトータルのセールス本数をも上回っている。この一人勝ち状態は,うがった見方をすると危うい状況とも思われる。ゲーム業界全体の活性化がなければ,ムーブメントの底は支えられない。東京ゲームショウなどに行くと,会場の若さと元気さを見て活気があるように思われるが,景気の低迷,ハードの巨大化に整わない制作システム,ゲーム作品自体のマンネリ化,など多くの問題が見え隠れする。
では,次のムーブを支えるモノは,何か? ドリキャスもワンダースワンもネットワークに繋がり,プレステ2もそれを視界に入れている。ワイヤードを活かしたソフトで,ポジションを得るものは,次世代を支配できるかもしれない。それを実行に移しているソフトメーカーはまだない。「次」はそこにありそうな気がするが,どうだろう。
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